市民に親しまれる三角山

  

札幌市街西武山麓にある三角山は、藻岩山、円山、大倉山ととみに、市民から“ふるさとの山”として親しまれています。

元旦の「初日の出登山」や山頂に設けられた臨時ポストに投函する「文の日登山」(7月23日)をはじめ、四季折々、市民が訪れます。日課のように山頂へ足を運ぶ人もたくさんいます。

 

「三角山の緑を守る会」は、こうして生まれました。

 平成27(2015)526日、小関氏(現在の事務局長)の呼びかけで、三角山から「心・身」両面で多大の恩恵を受けている6名が集まり「三角山への恩返し」について話し合いました。

 「恩返し」は「採石終了後50年を経過した今でも崩壊を続けている跡地を緑に復元すること」、そのためには「跡地の緑化を後押しする運動を継続して推進する団体が必要」と、一同の意見がまとまりました。

 そして同年6月2日、「三角山の採石跡地の緑化推進」を目的とする「三角山の緑を守る会」が発足。会長は元北海道山岳会会長の新妻徹氏に依頼し、会則を決め、運営支援や資金をお願いする会員募集を始めました。

 

会のスタンス:自然緑化を助け、地学の貴重な教材に

  発足後、月1回の運営会議、年一回の総会、採石跡地を知ってもらう勉強会、現地見学会を行いました。また札幌市主催の見学会にも参加し、知見を深める努力をしてきました。

  当初のスタンスは「採石跡地の全面的な緑化推進」でしたが、現地の状況判断も加えて、平成29417日に開いた平成28年度総会で、以下のスタンスを執る事になりました。

 1)  2箇所にある採石跡地の北側は自然緑化が可能と思われ、支援する。

 2)  南側のオーバ―ハングの崖錐地は、

  イ) 崖錐直下の堆積土砂を、植物種子が飛散して定着できる程度の動かない土砂基盤にする。

  ロ) カミネッコン(※)に、つる性植物などを挿し木して敷列する。

  ハ) 崩壊を続けている崖錐地の緑化は億単位の経費をかければ可能でしょうが、コンクリートや外来植物の侵入は本意でないため、当面は藻岩山・円山・三角山の兄弟山の内、唯一「すっかり中身が見える山」である三角山を地学の貴重な教材として位置付ける。

    ※カミネッコン:「紙」で「根っこ」を「コンパクト」に守って植樹する、再生紙段ボールを使った紙枠型の植樹ポット。土と苗木を入れ、自然に根付くのを待ちます。